アトピーが完治した私の食事治療法

物心ついた時からアトピー性皮膚炎を発症し、長年アトピーと闘ってきました。
幼いころは「みんなこんなに痒いし、これは生まれつきみんな持ってるものだから仕方ないや」から、幼稚園に通い始めて「どうして自分だけこんなに皮膚がないのだろう?」と疑問に思い、「私も体中の皮膚をひとつなぎに、滑らかにしたい」と切実に願って完治までこぎつけました。一人きりで治療はできません。

あなたは何を食べていますか?

「あなたは、普段何を食べていますか?」と、1歳半から10年間ほどありとあらゆる医者に受診した際に最後に聞かれたのがこの質問でした。
それまでステロイドや西洋薬、鍼灸やマッサージや健康食(プルーン等)を扱う特別な薬や器具を使っての治療を10年間も繰り返していました。
一瞬良くなっては、もういいと薬や治療をやめるたびに、前よりもさらに悪化しては皮膚や治療跡が醜くのこる自分の体。それを見てはため息をつき、かゆみに寝不足になり、たった10年で心身ともに患っている私はもちろんの事、両親やその他親戚もボロボロになって疲れ切っていました。
最後の頼みの綱で扉をたたいたのが、もう今は高齢のために看板をあげていませんが、大正生まれのとても優しい女医さんでした。
出合い頭に脈を診られて「あなたは、普段何を食べていますか? 何が好きかしら? アイスクリーム、牛肉、お砂糖はお砂糖でも白砂糖じゃないかしら? あとは、味の濃いものも好きね。そうね、それから灰汁の強いもの」と、小学生の私の好きなものを次から次へと言い当てていくのです。
「お母さん、あなたの作るものが彼女の体をつくるものですよ。これからはしばらく騙されたと思って、薬よりもまずはこの献立を作ってみてください。薄味で、灰汁を取って丁寧に」と、私の今度は皮膚のほとんど無い、乾燥もしていないお腹を触診しながらほほ笑むとカルテに文字を書きながら「この皮膚をつなげたいのね?」と笑いかけてくれました。
「あなたは今日からアイスクリームもお菓子も食べてはいけません。ちょっとだけやってごらんなさいよ。大丈夫、治るわよ」と、当時超甘党だった私には地獄の宣告でしたが、「大丈夫、絶対治るわよ」の一言で今までの薬しか出さなかった先生とは違うと思い「先生、大丈夫。信じる」と力強く頷きました。
そして、かゆみで眠れずに生活時間がめちゃくちゃになっていた私に、夜は10時までに眠りなさい。朝は6時までに起きなさい。とそれだけを指示しました。
あまりにも、今までの医者と違っていたのでそこは拍子抜けして「こんなに簡単な事?」と疑問に思いながらも、これならば子供の私でも守れると「わかりました」と頷いたのです。どうしても、私はクラスの子達と同じ、滑らかな美しいひとつなぎの皮膚が欲しかったのです。
そして、私だけ診察室から先に出されて待合室で待つように言われました。
そこはいつもの事だったので子供の私はのんきに待合室へと向かったのです。
母が詳しくこれからの生活や、家族構成、そして注意点を聞くのはいつもの事だったので、特に気にしていませんでした。
その時に先生は「これから、体の細胞を丸ごと生まれ変わらせるくらいの覚悟で治療を開始します。かかる期間は、ちょうど彼女が高校を卒業するころになるでしょう。毎日の生活にかかわることなので、相当な忍耐を本人も家族もする覚悟があります」と母に伝えていたそうです。

アトピーに効果のあるのは高い薬ではなかった

この医師の治療は、高い薬ではなく、普段の食生活から生活習慣までまるごと変える方針の治療。
必ず、一日三食を食べること。
おやつを食べさせる際にも、市販のモノでもスナックやチョコレートアイスクリーム等のお菓子をこれからしばらくは一切口に入れないこと(治療の効果が出始めてしばらく経ったら様子を見て少しづつなら食べても支障ないことも同時に伝えたそうです)。
朝、パン食をやめてご飯を中心にすること。
冷たいものを一切に口に入れないこと。
果物も、指示を出されたグラム以上食べてはならないこと。
すべての食事から白砂糖を使わずに、黒砂糖を使うように変更すること。
肉を必ず湯通しして、灰汁を捨ててから調理すること。
肉を食べたときには、必ずその三倍の量の野菜を摂取すること。
動物性の油を極力摂取しないことと、青魚を食べること。
全ての味付けは、素材の味がわかるくらいに薄くすることなどです。
今、こうして冷静に見てみると流行しているダイエットや体質改善の方法を先取りしているような生活でした。
この一番厳しい食生活を、まずは一年続けると劇的な効果が出始めました。 それからというもの、皮膚を構成するのは何かということをよく考えて食生活を送るようになりました。

治療をスタートして10年を向かえた頃…

食生活、生活スタイルを改善してからは、今まで残っていた皮膚も、いつアトピーの皮膚に代わるかと思うほどに弱弱しくガサガサしていたのですが、普通の子供と同じ皮膚の質に変わりました。
そして、酷い個所と良い個所の差が明確になったのです。
自分にとっては、酷い個所かそれほどひどくない箇所という扱いだったのでそれだけでも衝撃でした。
そして、少しづつですが酷い患部はそれほどひどくない症状に改善されていきました。
自分でも気が付くと、いつの間にかそれほどひどくない症状から良い皮膚の割合が増え、最後にはどこに傷口があったのかすらわからない、滑らかな皮膚を手に入れていました。
当初先生が「10年かかりますよ」と言ってから、ちょうど10年の事でした。
あの治療を経て、今の私はお化粧をする必要がなくなりました。
治療の副賞として30代を超えた今、お化粧をしなくてもいいくらいに滑らかな肌を維持しています。

アトピー性皮膚炎は完治します

全ての生活を見直して、完治してからも基本的には同じように生活を続けています。
おかげで太りすぎることもなく、同じ年ごろの女性たちに比べると何もしていなくても皮膚の若さがマイナス10歳をキープし続けています。
集中力もかゆみや痛みに邪魔されることなく継続するし、多少皮膚が出た服を着ても幼いころから紫外線に気を付けていたおかげか見苦しいという事はあまりありません。
色が白いとは言い難いですが、同じ年ごろの女性と比べると、何もしていないのにくすみやシミはあまり出ていないようです。
服を脱ぐことも、公衆浴場でお風呂に入ることも、気分転換でマッサージやエステに行っても治療してもらう際に躊躇することもなくなりました。
アトピーは決して治らない病気ではありません。適切な生活をすれば、きちんと完治させることができます。
身体によいものを食べて、規則正しい生活をする。 それだけのことですが、これが何よりも大切で欠かせないことなのです。